独学でやる発音習得はどうするか?(その1、勉強法編)

発音について今まで書いていませんでした。発音が大事ではないと言うつもりはありませんが、発音だけ上手でも何もいいことはありません。特にビジネス会話では発音よりも使う語句や言い回しのほうが大事だと感じます。あなたが(英語を話して)ビジネスをしているのは、あなたの英語が流暢だからではありません。あなたのビジネス力を買われているから、英語を使う(使わねばならない)機会があるのです。ビジネスパートナーがあなたを見る際の評価軸は、英語力そのものではなく、あなたのビジネス専門性です。英語力は、あなたのビジネス専門性のアウトプットポートの一つに過ぎません。それは忘れてはならないことだと思います。

したがって、ネイティブと見まごうばかりの流暢な喋りが必要ないとは言いませんが、優先順位として発音はどうしても後回しになります。しかし、ある程度は出来ないと困るのも事実です。あなたの会話相手が、非英語圏の人との会話に慣れているなら、発音があやふやでも通じるでしょう。発音が下手で困るのは、恐らくレストランやファーストフードでの店員との会話や、実際に海外生活することになった時などでしょう。

発音がなぜ身に付きにくいかと言うと、英語を使う機会がない、発音を間違えても訂正してくれる人がいない、と言う二点に尽きます。ネイティブ相手に話していても、相手は発音訂正なんてしてくれません。ビジネスの話だけでなく、一般会話でも、発音の訂正を毎回していると話が前に進まないからでしょう。発音の訂正を徹底的にやる方法の一つは、英会話学校に通いその旨先生に伝えて直してもらうというのがあります。それでも、自主的な練習なくしては、マスターするまで時間がかかってしまいますし、自分で自分の発音を聞くという練習なくしては、マスターするのは困難でしょう。ここでは、その自分でやる方法を紹介しようと思います(英会話学校に通わなくても、この方法だけでかなりのレベルまで身に付きます)。

そうです、まずはボイスレコーダーを用意してください。昔ながらのラジカセでも良いですが、使い勝手を考えるとボイスレコーダーが良いと思います。パソコンで手軽に録音/再生できるなら、パソコンでも良いかもしれません。何にせよ、あなたの発音を録音できる機器を用意してください。客観的に自分の声を聞くのに、他に有効な方法はありません。

ボイスレコーダーも安いのから高いのまでありますが、数人の会議を録音するわけじゃなくて、あなた一人の声を録音するだけですから、モノラルの安い奴で十分です。また、ボイスレコーダーを一つ持っていると、自主的に発音練習する時だけでなく、英会話学校でも使えるので便利です(自分の発音を録音するのが目的とはいえ、授業内容を録音するのですから、録音して良いか事前に了承を取りましょう)。

手法ですが、一言で言ってしまうと物まねです。DVDで、テレビドラマや映画を見ていて、このキャラクターの英語なら真似ても問題なさそうだな、真似てみたいな、と思えるキャラクターを探します。職務上英語を使う機会が多く、それが英語勉強のモチベーションなら、知的なセリフが多いキャラクターが良いでしょう。間違っても映画の中の柄の悪い人を選ばないでください。その話し方があなたに染み付いたら大変です。あとは、その役柄のセリフを真似て話してみるだけですが、これにも多少ステップがあります。

まず声を出さずに、口パクだけで台詞とシンクロしながら真似てください。少しささやく程度に声を出してもいいです。要は、テレビからのお手本の声が聞こえなくならないように、小声でシンクロしながら真似します。口の動きに細心の注意を払い、音はそれに付いて来るようなイメージでやってみてください。もちろん、DVDの字幕は出しておいてください。DVDのプレイバック機能を使って、何度も何度も、納得がいくまでやってください。真似ができてると思ったら、声に出して録音-再生してチェックです。この練習は、1セリフずつから始めて下さい。

練習のために、話すスピードを遅くするのはあまりお勧めしません。話すスピードも真似の対象です。あなたが真似ようとしている対象の台詞と同じスピードとテンポで話せるようになるのが、ここでの目標です。

基本的なスペルと発音の関係を理解した上でやると、習得が早いと思います。次回以降、子音と母音の基本的な(例外はある)音について、解説したいと思います。

最後になりましたが注意点です。発音練習では、英語の発音を絶対に日本語のカタカナに置き換えないで下さい。発音をメモする必要があるなら、発音記号を使ってください。英語の発音はカタカナでは表現できないものが多くあります。(そもそもカタカナで表現できる程度だったら、誰も英語の発音で苦労しないでしょう)

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- 今日のフレーズ
I am ready when you are. (いつでも良いですよ / 私は準備できています。)
準備できた?に対する答えですが、かなりカジュアルな表現です。シンプルに"Yes, I am."や、"Yes, I am ready."だけで終わらず、"when you are"が付いてるので、待ってるのは俺なんだけど…と内心思っているかのような含みがあります。あまり親しくない人に使うのは、止めておいた方が無難です。


*この記事は、3/21/2010に加筆され再投稿されました。

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