TOEICと英語力って?

『TOEICと英語力って、相関するか?』
よく耳にする話題で、またそのよく聞く結論は、『あまりしない』である。

おおよそ、TOEICで点は取れているけど、英語での職務(特に会話や会議、ネゴシエーション)遂行のレベルが伴っていない人に出会う、または自分がそうであるからだろう。原因の一つは、欧米と日本のビジネススタイルの相違にあるのかもしれない。しかし、それを差し引いても、やはりTOEICの点と英語力はきれいに相関しないと言わざるを得ない。(それでも、ある程度は相関する)

なぜなのか?それは、TOEICは所詮テストだから。テストである限り傾向があり、問題提出のフォーマットがある。そしてそれゆえに対策が効く。大学入試をはじめ、数々の試験を抜けた者にとっては、この攻略は決して難しくない。断っておくが、これは試験対策が上手な彼等が悪いわけではない。TOEICの点で英語力を判断しようと試みるのが、そもそも無理なのだ。

『TOEICで点取れる→英語力がある』は成り立たないことも多々あるとはいえ、『英語力がある→TOEICで点取れる』と言うのは、ほぼ成り立つ。したがって、面接等で英語に自信ありと言いたいなら、TOEICで点を取っている必要がある。なぜなら、簡便に、客観的に英語力を試す方法が他にないからだ。特に日本企業において、社員(や入社試験受験者)の英語力ベンチマークは、TOEICに頼りきりになっていると思う。

TOEICには前述のように対策組が存在しているため、企業側はTOEICで少々点が良くても、その社員ないしは入社希望者に英語力が伴っていない場合があることを経験上知っている。だから少々の点数では良い印象を与えることは難しい。業界にもよるだろうが、面接等でポジティブなインパクトを与えるには最低でも850点は必要だと感じる。900あれば、『ああ、できるんだね』という風に見てくれる可能性はある。正直800以下は、あまり意味がないと思われていると思っていい(この点数に対する感覚は既卒者や転職希望者の場合で、新卒者の就職活動の場合は700点前後でも、英語に対する意識が高いと言う点でプラスにはなるかも)。

本当に面接で英語力に関して良い印象を与えたいなら、海外部門や顧客を相手に業務を行った経験を語ればいい。そのほうがTOEICの点よりよっぽど信頼性がある。(それにTOEICそのものは、実はそんなに難しくないと思う。実感として、センター試験で8割くらい取って、日本の国立大に受かる程度の英語力があれば、ちゃんと対策すれば限りなく満点に近い点が取れると思う。)

しかし考えてみて欲しい。900点取ったと言っても、一割は誤解や聞き逃しがあるのだ。800点なら二割。ビジネスシーンでは致命的ではないのだろうか?対人相手に会話する時は、確認を入れることが出来るのだが、それでも会話の二割を聞き返しながら(または聞き逃し/誤解したまま)会話が進むなんて、不安を覚えずにはいられません。そう考えると、日本企業が社員に求めるTOEICに対するハードルは低すぎ、だとも思います。(最低のハードルを示しているんでしょうが、TOEIC 650点以上とか、750点以上とか、よくありますね…それで英語業務をさせるとは冗談かと思います。)

ちなみに私は、TOEICの対策はしません。私の場合、シュウカツや転職に必要というわけではないし、自分の英語力のベンチマークとして受けているだけだからです。それでも(対策しなくても)、リスニングで聞き漏らすこともないし、文法&文章読解のセクションでも時間が余ります。しかし、よくよく考えると、それで満点取れていないってのは問題なんですよね。(恐らく知らない文法があるのだと思う。リスニングは満点かほぼ満点取れてる。)

- 今日のフレーズ
Never trust the person who says trust me. (私を信用して、と自分から言う人を信用してはいけない)
こういう言葉があることを知ってか知らずか、鳩山首相は米国のオバマ大統領に"Trust me."と米軍沖縄普天間基地移設に関して言ってしまったとか。オバマ大統領はその時、またその後、どう感じたんでしょうかね。


*この記事は、3/14/2010に一部加筆され、再投稿されました

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