ジオスが破産したいま思うこと

もう英会話スクールは流行らないのだろうか。(参考記事;英会話のジオスが破綻

この記事を見て思い出した。実は私は、英会話スクールに通ったことがある(ジオスではない)。非常に短期間だった。実際にクラスに行ったのは二回だけだったと思う。それ以降、行かなくなった。お試しキャンペーン等だったわけではない。正規の料金払って、それで二回行って辞めた。より正確な表現をすると単に行かなくなった。この二回だけ通った英会話スクールは、今でも存在している某有名英会話学校。私の身の回りではここが一番評判が良かったし、世間一般でもたぶんそうだろう。(一番評判が悪かったのは、現在は経営破たんしているNでした)

スクールに行かなくなったのは、行き続けても英語力が向上するとは思えなかったからだ。私はこれをスクールのせいにするつもりはないし、ましてや先生のせいにするつもりはない。このスクールの企業としてのシステムを詳しくは知らないが、少なくともここの先生は人に教えるための方法をトレーニングされている(に違いない)とすぐに感じた。単に英語を母語として話せるから雇われている、というようには見えなかった。ただやはり、何だこんなものか、これじゃ特筆するほど英語力は伸びないのではないか、と感じたのだ。

ちなみに私が取ったコースは、マンツーマンの個人指導コースだったのだ(当時、一番良いコースだったと思う)。それにもかかわらず、なぜそう感じたのか?いや、感じたことを正確に書くと、この授業を受ける「だけ」では、牛歩ペースでしか英語力は上がらない、と実感したのだ。英語力を伸ばすには、授業「だけ」では全く持って足りない。しっかりとした復習が必要だと悟ったのだ。これは毎日授業を受けても同じだろう。復習なくしては身に付かないし、(私の)脳は覚えてくれない。だったらそれは、ほぼ毎日、家で英語の勉強をやることと同じだ。

そこから先の思考は驚くほど早かった。 何だ、俺もう毎日勉強やってるよ → スクール辞めよ。

英会話のスクールの受講者は、ほぼ間違いなく英語が下手だ。だから、受講者同士仲良くなっても、それはあなたの英語力の向上には寄与してくれない。ソーシャル上の良い影響(勉強を継続できるよう励ます、勉強法の模索など)を否定はしないが、私はそれを求めていなかった。うん、それもあってか、私はマンツーマンコースにしたのかもしれない。そして当時の私は視野が狭かったのだろう。自分の家での毎日の勉強のペースを乱されるのが嫌だった。当時既に社会人だったし、スクールに行く電車(片道二十分ほどだが)の時間も惜しいと思っていた。だから、復習しないと身に付かない英会話スクールなんて行きたくない、となった。

私は何を期待していたのだろう?英語力を急激に伸ばす魔法のような授業や、教育システムを期待していたのだろうか。日々の独学に限界を感じていたのだろうか。よくわからない。ただ、周りの勧めは多少あった。行くならあのスクールが良い、あそこに行って英語が伸びた。そう聞くと興味が出るのが人間だろう。自分でスクールに行ってみて察しが付いた。スクールに通うことで英語力が伸びる人は、恐らくスクールに通う前は家でなにも英語の勉強をしていなかったのだ。

『勉強法が合う合わないはあるかもしれない。でも、どんな勉強法でもやれば英語力は付く。英語力が付かない人は、何もやっていないか、勉強法ジプシーになっているかのどちらか』と私は感じている。何もやってなかったか勉強法ジプシーだったかの人が英会話スクールに通い、勉強法を一本にしてちゃんと復習を習慣付ければ、そりゃ英語は伸びるだろう。これは、何も悪いことはない。スクール側も、顧客が必要だったものを与えているのだ。まさにビジネスの基本、win-win だ。でも今日、英会話学校が一つ破産した。この会社の破産の直接の原因は知らない(いま、HPにアクセスできなかった)。でも、一昔前ほど世間に英会話スクールが必要とされていないのかもしれない。

英会話学校は他でもない、英会話を教えるのがビジネスだ。しかし、英語勉強法について書かれたブログやサイトも豊富にあるし、英語勉強の参考書は昔から本屋に売っている。そもそも中学以降では、学校で英語を教えてくれる。それでもある程度は英会話学校のニーズがあったのだ。理由の一つは恐らく、英会話学校に行けば本物の英語を話す講師がいるからだ。ということは、English nativeな講師を集めた英会話学校ビジネスの重要な部分は、言ってみれば生きた英語の転売 -English nativeな講師を仕入れて、生きた英語に触れたい受講者に売るー だ。ところが今は、生の英語が聞きたければ映画のDVDだけじゃなく海外ニュースもある。生きた英語のダイレクトなソースに誰もが簡単にアクセスできるようになった今、英会話学校の魅力が一つが失われているように思える。『English nativeな講師が教える』だけでは、みんな付加価値を感じないのだろう。

- 今日のフレーズ
I wanted to give you a heads up on this. (このことについて、あらかじめ伝えておきたかった)
heads up は、あらかじめ注意を促す、あらかじめ情報を与えておく、という口語的表現です。heads upそのものが、『注意喚起を促すこと』という連語で、単数です(だから、heads だけど a が付いてる)。また、heads up と言う連語は、giveとよく一緒に使われます。

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